物事がうまくいかないときや、思うようにならないとき、
私たちはいつもと変わったこと、違ったことをしたがるものです。
時には、普段やったこともない、「凄いこと」をやってやろう
と力んだりする。
変わったこと、凄い事をしないと、苦しい局面を打開できない。
そう思い込んで、
つい答えや解決法を遠い所、高いところへ設定したがるのです。
しかし、それはたいていの場合、逆効果に終わります。
難しい問題を難しく解こうとすると、
事態はもっとこんがらがってしまうからです。
何か困ったことや悩みごとがあって、
それが困難な問題であればあるほど、「あたりまえのこと」から始める。
ふだんと変わらないことを、いつもより、少しだけ、しっかりやる。
そんな「あたりまえをおろそかにしない」姿勢が、
何より大切になってくるのです。
ないものねだりをするよりも、今あるものに感謝する、
「足るを知る」生き方に努めること。
そのときに人間の心は磨かれ、人として成長し、
その器が大きくなります。
人間関係だって仕事だって、真心をのっければうまくいくものです。
自我で売ろうとしても売れないものでも、誠意を尽くせば
お客さんが集まってきます。
モノづくりだって、真心を込めれば価値あるものがつくれるのです。
私は、規模やサイズなど小さくていいから、人と比べず、競わず、
競争相手のいないところをゆっくり走った方がいい、
そして利口であることを誇るよりも、愚かであることを喜べ、
といいたいのです。
先頭でないと感じられない風の匂いがあるのと同じように、
周回遅れでないと見えない景色もあります。
競争社会が長く忘れてきたものこそ、その周回遅れの景色の
温かさだとは思いませんか。
人生なんて、いちばん後ろから、ゆっくり行けばいいのです
非凡な結果は、平凡なことの積み重ねから生まれてくるものです。
平凡なことを毎日飽きることなく淡々とこなすのは、
特別なことを一日だけやるよりも、はるかに難しいことでもあるのです。
物事を始めるときには、頭で考える以上に、腹を決めよということです。
「どうしたらうまくやれるだろう」という方法論を考えるまえに、
「何としてもこれをやり遂げるんだ」という覚悟を決めることが
肝心なのです。
あたりまえの話ですが、その覚悟がないと、いい知恵も出てきません。
「いい知恵が浮かばないからできない」という人は、
知恵がないのではなくて、知恵を出そうとしていないだけ。
知恵が出ないのは、「どうしてもやるんだ」
という覚悟が足りないからです。
恐怖心は、
可能性をストップしてしまう。
結局、明日というのは、
「どうなる」じゃないんですよ。
明日は我々が「創る」んです。
「タマゴボーロ」で有名な竹田製菓の代表取締役で、104社の上場企業の大株主でもある。これは個人が大株主となっている上場企業数で国内一位の数字である。
また、百尊家宝、株式投資など事業家として活躍しているほか、日本の未来を担う人材育成のため「まろわ講」(「まろわ問答講」)を主宰し、自身の経験や財産を人材投資という形で社会還元している。